ある日、杉元君が挨拶してくれた。

「バイバイ。」

たった一言だけどとっても嬉しかった。


それをみほちゃんに報告しようと教室へ行った。

ドアを開けようとしたら中から声が聞こえる。

みほちゃんの声だ。あたしの名前を言ってる。


「さっさと諦めれば良いのに。」


「あの子が居るからあたしが可愛く思えるのよ。」


「あの子じゃ釣り合うわけないよね。」


ケラケラと友達と楽しそうに笑うみほちゃん。


そうか、あたしはみほちゃんの引き立て役だったんだ…。

そう思うと、ズキンと胸が痛んだ。


あたしは必死で走って一人になれる場所へ行った。

そこで誰も来ない事を願って

一人で声を殺して泣いた。


「やっぱりあたしじゃ無理だよね…。」


そう声に出すと、声が震えていた。

また涙が溢れていた。


+ back +